一柳慧芸術総監督就任20周年記念 Toshi伝説
神奈川県民ホール
神奈川県立音楽堂
詳細決定!
芸術総監督就任20周年に開催される二つの音楽会
Who is Toshi?
一柳慧とは何者か。
常に先端を走り続けてきた前衛作曲家にして、古典から現代までを横断するピアニスト、日本におけるジョン・ケージの紹介者にして、さまざまな企画を手掛けるオーガナイザー。あるいは……。
2020年、彼は、神奈川芸術文化財団の芸術総監督就任20周年を迎えた。しかし、この年は一方で、人類がコロナ禍に覆われた点において、忘れがたい年号でもある。不運? いや、この二つが重なったことはある意味で象徴的にも思える。というのも、これまで音楽と自然のかかわりを考え続けてきた一柳にとって、「作曲」とは、人間社会が自らの脆弱さを乗り越えるための知見を探る行為でもあるからだ。ゆえにToshi伝説、この名のもとに開催される二つの音楽会では、コロナ禍という状況を音楽から照らし出す、きれいごとではすまない空間が現出するに違いない。
まずは神奈川県民ホールにおける管弦楽撰集。冒頭、鈴木優人が「作曲家」として新作のファンファーレを披露したあと、一柳の代表作が3曲。東京フィルの面々がソロを務める「ビトゥイーン・スペース・アンド・タイム」、そして成田達輝が独奏を務める「循環する風景」はもちろんだが、とりわけ東日本大震災と並行して書かれた「交響曲第8番 リヴェレーション2011」は、現今の状況とどう響きあうのか。
一方、神奈川県立音楽堂で行われるのは「エクストリームLOVE」と題されたマラソン演奏会。第一部では、自身がピアノを担当する「クロイツェル・ソナタ」や武満徹「一柳慧のためのブルーオーロラ」など、一柳慧という存在を形成したさまざまな要素が並べられる。第二部は三味線の本條秀慈郎ほか邦楽界の若手ホープをフィーチャー。邦楽器の世界が、実は一柳の隠れた核であることが明らかになろう。そして第三部では、記念碑的なシリーズ「ピアノ音楽1~7」を河合拓始が音響化。予想外のハプニングが起こる気配も……。
この2日間に駆けつけた幸運な聴衆は、新たなToshi伝説が爆誕する様子を目の当たりにするはずだ。
文:沼野雄司(桐朋学園大学教授、県民ホール・音楽堂 芸術参与)
「共鳴空間(レゾナント スペース)」
2021年2月13日(土) 15:00
神奈川県民ホール 〈大ホール〉
出演:鈴木優人(指揮) 成田達輝(ヴァイオリン)
東京フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)
鈴木優人:ファンファーレ(委嘱作品・世界初演)
一柳 慧:ビトゥイーン・スペース・アンド・タイム
一柳 慧:ヴァイオリン協奏曲「循環する風景」
一柳 慧:交響曲第8番「リヴェレーション2011」
全席指定 一般4000円
「エクストリームLOVE」
2021年3月20日(土・祝)
Classical 13:00/Traditional 14:45
Experimental 16:30
神奈川県立音楽堂
出演:成田達輝(ヴァイオリン) 萩原麻未(ピアノ)
河合拓始(ピアノ) J-TRAD ensemble-MAHOROBA
ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット
一柳 慧(ピアノ/トーク) 他
ベートーヴェン:
ヴァイオリンソナタ第9番「クロイツェル」第1楽章
フランク:ヴァイオリンソナタ
武満 徹:一柳 慧のためのブルーオーロラ
高橋悠治:花筐〜水
一柳 慧:ピアノ音楽No.1~7/密度/フレンズ 他
全席自由 各コンサート一般2500円 1日パス4000円
◎2/13公演と3/20公演共通
一柳シート(24歳以下の学生)0円
※一柳慧が学生のみなさまをご招待します。チケットかながわにて事前申込が必要です。
Toshi伝説セット券 7500円
※2/13公演と3/20公演1日パスのセット券。チケットかながわのみ取扱。
KAme先行11/14(土) 一般発売11/21(土)
*KAAT神奈川芸術劇場にて2021年3月に予定していた芸術監督プロジェクト オペラ「モモ」全三幕は、大変残念ですが延期(実施時期未定)となりました。詳細は劇場HPをご覧ください。
Photo(上から)
一柳 慧 ⓒKoh Okabe
鈴木優人 ⓒMarco Borggreve
成田達輝 ⓒMarco Borggreve
萩原麻未 ⓒMarco Borggreve
河合拓始
J-TRAD ensemble-MAHOROBA
ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット ⓒノザワヒロミチ(CAPSULEOFFICE)
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