音楽堂室内オペラ・プロジェクト第4弾 ブルーノ・ジネ作曲 「シャルリー~茶色の朝」 日本初演 (フランス語上演・日本語字幕付)

神奈川県立音楽堂

ある朝突然「茶色のペット以外飼ってはいけない」という法律ができたら、どうしますか?

 バロックから現代まで「自由で多彩な室内楽の可能性」を紹介する神奈川県立音楽堂の室内オペラ・プロジェクト。今秋は「フランスから世界を揺るがせた小さな物語」を原作にした日本初演の室内オペラをお届けします。原作『茶色の朝』は、フランスの心理学者フランク・パブロフが、ごくふつうの市民が「何も考えなかったために」ファシズムに巻き込まれていく怖さを、子どもでもわかるやさしい言葉で描いた物語です。

ある朝、茶色のペット以外飼えなくなった

 原作のシャルリーと主人公は友人同士。仲良くカフェで新聞を読み、平凡で静かな日常生活を送る二人は、それぞれ白黒の犬と猫を可愛がっていました。が、茶色のペット以外許さないという法律が出来、それぞれのペットを殺処分し、茶色の犬と猫に飼い替えてしまいます。「茶色に守られた安心、それも悪くない」と自分に言い聞かせながら。しかしその安心が続くのも、さらに厳しい、新しい法律ができるまでのことでした―

世界に広がる『茶色の朝』。

 フランスで極右政党が台頭した1990年代後半、危機感をいだいたパブロフは多くの、特に若い人に読んでもらおうと著作権を放棄し、わずか1ユーロでこの本を出版します。その後大統領選で再び極右候補が台頭した時、人々はこの物語を発見しました。動揺するフランス国内で多くの人が『茶色の朝』を読み「極右にノンを」の運動につながります。パブロフはベストセラー作家になり、結果は極右候補の敗北となりました。「小さな安心」を求める市民の物語が、現実の市民を目覚めさせ、フランス社会を変えたのです。以後この本は全世界で広く読まれるようになり、日本でもSNS等で静かなブームをまきおこしています。私たちの鏡のようなシャルリーの姿を通して、「人権」「自由」「多様性」が注目される社会のありようを考えてみるのはいかがでしょうか。

フランスからアンサンブルと作曲家が初来日。

トークやミニコンサートも

 フランス気鋭の作曲家、ブルーノ・ジネがこの物語を、器楽5人、ソプラノ歌手一人による一幕のオペラに仕立てました。舞台版初演を行ったアンサンブルKが作曲家とともに初来日し、オペラ本編をはさみ、前後に室内楽コンサートと作曲家を囲むクロストークを繰り広げます。詳細は「音楽堂室内オペラ・プロジェクト特設サイト」で今後発表。どうぞご期待ください!


音楽堂室内オペラ・プロジェクト 第4弾
ブルーノ・ジネ作曲「シャルリー~茶色の朝」

2021年10月30日(土)・31日(日)

出演:アンサンブルK(ヴァイオリン/チェロ/クラリネット/ピアノ/打楽器)

   アマンディーヌ・トラン(ソプラノ)

第一部:アンサンブルKによる室内楽

パウル・デッサウ「ゲルニカ~ピカソに捧げる」(日本初演)

ブルーノ・ジネ「パウル・デッサウの“ゲルニカ”のためのパラフレーズ゙」 (日本初演)

第二部:ブルーノ・ジネ

「シャルリー~フランク・パブロフの 『茶色の朝』にもとづくポケット・オペラ」 (日本初演)

第三部:作曲家ブルーノ・ジネを囲むクロストーク

*詳細は音楽堂室内オペラ・プロジェクト特設サイト

ご覧ください。


Photo(上から)

©derrière Rideau

アンサンブルK

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